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2014/07/06

The Boy Who Cried 'Wolf'

Thomas Bewick, 'The Shepherd's Boy and the Wolf' (The Boy Who Cried 'Wolf'), wood-engraved illustration, from 'Fables of Aesop and others', 1818. Printed by E. Walker for Thomas Bewick, Newcastle. National Art Library Pressmark: G.28.Y.1b






何か事態が起こった時に皆で「大丈夫、大丈夫」と言って安心し、警告を促している人達を避難するという(おそらく日本独特の)風潮は何だろうと考えている時に、そう言えばオオカミ少年の教訓は何だったかと疑問に思い、Wikipediaで調べてみた。

自分の記憶では、狼に食べられたのは少年で「嘘をつき続けると、たまに本当のことを言っても信じてもらえなくなり、助けてもらえず死に至る」という教訓だと思ってたが、Wikipediaによるとオリジナルのイソップ寓話で狼に食べられたのは村の羊全て。日本でも何と豊臣秀吉の時代に既にこの話は輸入されていて、オリジナル同様、狼が食べたのは村の羊となっているが、明治7年文部省によって、狼が食べたのは羊ではなく少年というように日本では話が改変されたらしい。文部省にどういう意図があったのかはいろいろ想像できる。
オリジナルの話では、村人が少年の警告を今回も嘘だと決めつけ用心しなかったがために財産である羊を失う、というように教訓を捉えることも容易である ー元々この話が教訓的なものであるかは分からないがー 。
もちろん、村の少年が一人食べられることも村人にとって悲劇であり、大きな損害ではあるが、食べられた対象を羊から嘘をついた少年に変えたことで、責任を少年一人に押し付けるという(企業で不祥事が起きた時によく見る)日本独特の話にすり替わっていやしないか。
どちらにしても、この話で被害を受けているのは少年の話を「大丈夫、大丈夫」と言って用心しなかった村人達である。

日本において(特にネット上で)警告を促している人を「平和ボケ」だのと批判している人達こそ平和ボケしていると思う。何か事態が起こった時に最悪の場合を考慮しておくというのは普通のことで臆病者と避難されるべきことではない。