2023年6月25日に新神戸駅のコトノハコにて隔月で行われているSHIN-KOBE SUNDAYS MARKETにCOCCAも出店させて頂いた。そこに文化工学研究所とmentで開発中の段ボール継手で巨大迷路をつくるというワークショップを行った。
段ボールと継手を使った「継手あそび」の説明書 |
4種類の継手(3Dプリンターで出力、中にダンボールを挟むための突起がある) |
廃ペットボトルから3Dプリンターの材料であるフィラメントをつくるための装置も開発中 |
子どもたちが廃ペットボトルを集めて持ってきて、それを3Dプリンターのフィラメントにして再利用し、その材料から段ボールの継手がプリントされるまでのプロセスを見える化して体験してもらいたいと考えている。
このプロジェクトの狙いは廃材でも色々なものがつくれるということを体験するだけではなく、段ボールという大きなものを組み合わせることで、人が入れる空間をつくることができる構築力を養うということもある。
さらには、その作業を老若男女問わず、その日初めて会ったかもしれない他者と複数人で行うことで、他者との協働力を養い、チームプレイを学ぶという狙いもある。
イタリアの設計事務所で働いていた時に感じていたのは、彼らのコミュニケーション能力の高さや、協働力である。一般的にはイタリア人は自由奔放でチームプレイが苦手という逆のイメージがあるかもしれない。彼らが言うには、イタリア人は個がしっかり確立しているので、学校教育では協働やチームプレイを教わるらしい。大学でも建築学科では1年の初めから複数人でのグループワークで、卒業制作も協働制作だそうだ。日本の建築の大学は、一部の大学を除いてほとんどは個人で課題や卒業制作をさせて、個人に賞を与えるということをずっとやっている。
一方、日本の初等教育においては他人と同じことをさせる団体行動を未だに行っているらしい。皆が同じ行為をする団体行動は、チームプレイや協働力を養うことにはならないのではないか、なぜならチームで何かをする場合、仲間と同じことをしていてはダメで、仲間の動きを見ながら違う行動をして、相互に補い合ったり、強化し合う必要があるからである。
そのあたりも、この継手を引き続き改良しながら試行錯誤したいと思う。