Translate

2014/02/09

Studio Vico Magistretti

ミュージアムとして一般公開されているVico Magistrettiのミラノにある事務所を訪れた。
彼がやった仕事量からすると驚くほど小さい事務所であるが、彼は事務所を始めてから死ぬまでアシスタントを一人雇っていただけで、一人でここで働いていた。彼と働いたメーカーなどがそれぞれ彼専用のアーカイブを持っているため小さい事務所でも大丈夫だったようだ。
彼が手がけていたのはコンセプト・デザインと基本図面だけで施工図面などは仲間の事務所に任せていたらしい。
インタビューでも答えているが、彼はデザインにおいて他者、異業種の人々との対話を基本にしていたようだ。「孤独に対する勝利」とまで言っている。常に一人で動き、プロジェクトごとに組織をダイナミックに編成するための働き方だったのだろう。

建築模型が飾ってある会議室
Maralungaの実験模型のようなものも置いてありチェーン構造が見える。

会議室には彼がデザインした椅子がバラバラに置いてあるが、テーブルは彼がデザインしたものを置かず(おそらく)アンティークものを置いているのが興味深い。仕事机も同じものを使っている。

仕事部屋の窓
仕事部屋の窓には、彼の座っている位置から隣地の教会が見えるように鏡が貼ってある。
アッキレ・カスティリオーニも事務所内の角に鏡を置いていたが、彼の場合はイタズラ心で訪問者に実際座っている位置とは違う位置で自分を見せるためだったらしい。マジストレッティの場合はあくまで外向きの視線でありカスティリオーニとは対照的に感じた。
僕がずっと気になっていた彼の言葉で「シンプルとはこの世でもっとも複雑なものだ」というものがあるが、仕事場を見ているとより彼の「シンプル」というものが、言葉ほど単純なものではなく、理解するのが難しいものであると感じる。
アンティークの家具、窓際に貼った鏡、ボードに貼られた無数のメモ、イメージなどを見ていると彼が言う「シンプル」とは排除していくことではなく、世界中(特に日本)で流行っているシンプルさとは一線を画すという印象を受けた。
彼のいうシンプル、単純には複雑が内包されている。

2014/01/29

求心的パラッツォ

ミラノの友人宅の片廊下。ミラノの集合住宅は基本的に通りに対して閉鎖的で中庭に対しては開いている。この家のようにたまに片持ち梁の廊下を見る。片持ち梁にすることで、中庭に対してより開放的になっている。
日本では片廊下に面して小さな窓がキッチンあたりにあるぐらいだが、イタリアでは大きな開口が二つくらいある場合が多い。共同体内部の人に対して開放的なのは、人だけでなく建物においてもイタリアの特質の一つのように感じる。


2014/01/26

Palazzo Pirelli

ミラノ中央駅付近にあるジオ・ポンティ設計で有名なピレリビルが今日だけエントランスの一部と最上階を一般公開していたので初めて入ることができた。


エントランスロビーの床、強烈なプリントが施されたリノリウムシートが全面に使用されている。
最上階(31階、高さ約120m)の展望スペース



2007-2009年にDe8という建築事務所によって改築され最上階には外から見ても分かるような異質なボリュームの構築物が入っている。乳白色のガラスで有機的な形がつくられていて、内部は会議室か何かだと思っていたが、以外にハリボテのような作りで下階は簡単なケータリングができるようなキッチンが入っているだけだった。おそらく上階にはバルコニー的な空間があるのだろうが、一般人の進入禁止になっていたので見れず。
設計者は"Piazza Alta (高い広場)"を実現させるためのプロジェクトというが、彼らの抽象的な広場の概念にはあまり賛同できない。そうまで言うならば、有料でも良いから常時一般公開するなど、ソフト面の提案も必要であっただろう。

北東側を望む、中央駅越しにアルプスが見える。

北西側を望む
最近開発が進んでいる南西側の景色を覗いては高層建築がないため、今日みたいに空気が澄んでいるとロンバルディア州全体を望め、アルプスも綺麗に見える。
このような景色は、東京のような高層ビルが乱立する大都市では見ることができない。

南東側を望む
南東側は北西側に比べ都市部のスプロール化が進んでおらず、緑地が広がっていることが分かる。ここだけを見るとミラノがコンパクトシティであるという印象をもつ。街も落ち着いて見える。

南西側を望む



南西側はガリバルディの開発地が俯瞰で見れる。高層化した分、空地が目立ち建築密度がミラノの他のゾーンに比べかなり低い。ミラノ人の生活に合うのか疑問である。

階段室へ向かう途中にある開口部から南側を望む、ドゥオーモも見える。
街を歩けば、ミラノが他のイタリアの都市に比べ、新旧のモノが混ざり合い異質な街であることは理解できるが、俯瞰で見ることでその事がより明確に分かる。

フィレンツェ