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2014/01/22

Palazzo Pathé

ミラノのパラッツォには珍しく骨太で荒々しい石(砕石とセメントの人造石)とレンガ仕上げの建物が家の近所(Via Settembrini 11)にあり前々から気になっていたので調べてみると、Giulio Ulisse Arataという建築家が1902-1904年に設計し建設されたものであることが分かった。
当時のイタリアのアカデミックな様式建築の教育から離れアール・ヌーヴォーに興味をもっていたようだ。
この建物ではアール・ヌーヴォーのイタリア版であるリバティ様式に田舎風の要素を取り入れ、東洋的な装飾が施されている。なので、他のリバティ様式の建物よりも複雑で荒々しい印象をもつ。





この建築を見てると何か当時の社会に対するオルタナティブな態度を感じる。アーツ・アンド・クラフツ運動にも通じているのだと思うが、産業革命後、大量生産に向かっている社会に対して職人の技術をふんだんに使い、且つ都市部において田舎風の様式も持ってくる。西洋的な装飾の中に東洋を置いてみる。
こういう建物は単純には分類化できないし、読み解けないから歴史の教科書には載らないのかもしれないが、100年以上も残りオーナーが変わりながらも未だに使われているというのは素晴らしいことだと思う。

モザイクとグロテスクな装飾

勝手口のインターフォン、上から火、風、土と書いてある、押したらどうなるのか。